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浅野暢晴に関するブログです。
by mongoru901


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黄金の祭り 黄金町 バスタブ
黄金町にトリックスター君を連れて行くことになったきっかけは、dam dama talの大塚さんが中之条ビエンナーレの展示が行われた親都神社に訪れてくれたことだった。
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instagramでメッセージのやり取りを繰り返し、大塚さんは中之条に行くたびに親都神社に足を運び、トリックスター君たちに会いに行ってくれた。

旅するトリックスター兄弟のプロジェクトに参加してくれた大塚さんが、横浜のレジデンスで滞在パフォーマンスをすると聞いたので冗談半分・本気半分で聞いたみた。
「中之条にいたトリックスター君たちも良ければ貸し出しますよ」
「実は僕も頼もうと思ってたんです」
冗談が現実になり、僕もドンドン本気になっていった。

dam dama talさんが滞在するのは黄金町の大平荘、通称「バスタブ」。
黄金町という名前を聞いて、最初に頭に浮かんだのは金糸だった。
彫刻に金糸を組み合わせるという試みはこれまでも行なっていたが、最近は少し出番が減っていた。
(本当は中之条でも金糸の試みをしたいと思っていたのだが、時間の都合で断念した)
打ち合わせに訪れた大塚さんとみきたまきさんに「金糸を使ったパフォーマンスをしてもらえませんか?」とお願いをしてみた。
二人は快諾してくれたわけだが、これが後々とんでもないことになってくるのだ。
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しばらく野外の展示や、かなり特殊な屋内での展示が続いていたので、ホワイトキューブの空間で自分の作品がどう見えるのだろう、ということは心配していたのだが、真っ黒なトリックスター君たちはよく映えた。
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作品そのものをハッキリと見ることができて、しばらく失っていた感覚を取り戻すようだった。
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dam dama talさんのレジデンスにお邪魔しているのだと言うことを忘れかけるほどに展示を楽しんでいた。
僕の好き勝手を二人はニコニコと受け入れてくれた。
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展示に満足し、初日の会場に足を運ぶとすでに風景は変わり始めていた。
初日の時点でこれまで僕が貼ってきた金糸の量を既に超えていた。
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床に置かれた作品たちも、二人ののびのびとした感性でところ構わず置かれていた。
僕自身では絶対置かない場所に置かれた作品たちを見ながら、彼らが自分たちで居場所を決めて、そこに立っているように感じた。
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最初の週末に初めてdam dama talさんのパフォーマンスを見る。
この日を迎えるまで正直不安だったのだ。
「二人のパフォーマンスを良いと思えなかったらどうしよう」と。
基本的には嘘はつきたくはない人間なので、人とコラボレーションをした時に「良い」と感じられなかった時に顔に出てしまうのだ。
(それで何度か関係が悪くなっている)
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結果、僕は人生で初めて「ダンス」を見て感動した。
新村隆慶さんのヴァイオリンと新村康子さんの琵琶も本当に素晴らしかった。
しかし、一番の感動のポイントは「トリックスターをもとに作られたダンスを見ることができた」と言うことだと思う。
こんな贅沢があろうか。
「自分の作品が置かれた空間で、自分の作品との出会いをダンスで表現してもらう」と言うことが目の前で表現される、という。
こんなに深く作品を理解してもらえているのか、ということが体の動き一つ一つから伝わってきた。
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最終日、バスタブを訪れる前に大塚さんから連絡がある。
「持ってきてもらった金糸がなくなりました」と。
バスタブに持ち込んだ金糸は「これだけあれば何年かは買い足さなくても問題ないだろう」と思っていた量だ。
最終日に実際に足を運んで納得した。
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大塚さんは笑いながら「もう2キロくらい張ったと思います」と言っていた。
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そこは、大塚さんとトリックスター達で作った「巣」のようだった。
トリックスターたちも会場中を縦横無尽に歩き回っていた。
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「もうお前の指示なんて聞く気はないよ」と言われているかのように。
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そんな「巣」の中で最終日のパフォーマンスが始まった。
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前回見たパフォーマンスよりも洗練された身体の動きがそこにはあった。
僕が感じたのは「徐々に二人がトリックスターになっていってる」という感覚。
最後に訪れる金糸開封の瞬間に、いやがうえにも期待が高まる。
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始まったパフォーマンスは圧巻だった。
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二人が「完全にトリックスターになった」な、と思った。
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彼らを作っている自分にしか分からない「彼らであること」のど真ん中を付いていた。
心が震えるようだった「こんなことが起こりうるのだ」と。
そして、2週間張り続けた金糸を開封する時間がやってきた。
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大塚さんが、悲しそうにも、神妙そうにも、どこかホッとしているように見える表情で、金糸を開封し始める。
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大塚さんは「間に立つ人間」だった。
人と人ならざる者の間に立つ人間としてその結界を破ろうとしていた。
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完全に結界を破ると、トリックスターは全く違う姿へと変貌した。
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こうしてバスタブで過ごした2週間は幕を閉じた。
きっと一人では成し得ないことが、二人の場所にお邪魔することで起ったのだと思う。
何より大事なことはdam dama talの二人が「トリックスター」という存在を理解しようと努めてくれたこと、それを身体を使って表現し、伝えてくれたことだと。

中之条から始まった旅は横浜へと辿り着いた。
ここからまたどこかへ繋がっていくんだろうと思う。

by mongoru901 | 2018-07-11 01:46
中之条ビエンナーレ 「無何有の祭り」
群馬県中之条町で行われた中之条ビエンナーレ2017に参加しました。
こういったアートイベントに参加するのは、カフェ・イン・水戸以来だったのでドキドキでした。
下見に行った時に一目惚れした場所が、こちらの神社。
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大ケヤキが有名な親都神社。
完全な一目惚れでした。
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メインとなる境内には、頭に植物を乗せたトリックスター達を配置しました。
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この作品を作ろうと思ったきっかけは、「3本足ってどう歩くんだ?」という単純な疑問からでした。
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ずっと3本足の生き物達を作り続けて来たものの、そんなこと考えたことがなかったのです。
しかし、考え始めたら、そのことで頭がいっぱいになっていました。
きっと自分の中で彼らが自立した生き物として確立し始めたからでしょう。
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裏の入り口から入った彼らは、険しい参道を歩き、彼らにとっての本殿に向かって歩いていきます。
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彼らが乗っけているのは、神様に備える何かなのかもしれません。
親都神社にあった土を彼らの上に乗っけました。
すると、土の中にあった種から植物がムクムクと生えて来たり。
さらには、来場してくれた人が石を積んでくれたり、お賽銭を備えたりと、中之条に訪れる度に彼らの姿は変貌していきました。
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彼らの向かう先にあったのは、金糸によって区切られた原始的な社。
その場所には会期を通じて緑が生い茂り、特別な場所へと変貌していきました。

そんな彼らをひっそりと見守るのが、椅子に座るトリックスター君。
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ちょこんと座っております。
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彼の隣は、気がつけが記念撮影スポットとなり、多くの方がその隣で写真を撮ってくれました。
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トリックスターが座る椅子の奥には、謎の枠が。
話を聞いたら、その昔、近所の小学生が書き初めを展示していたらしい。
書き初めの代わりに、大量の面と、面をつけた人を吊るしました。
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面をつけた彼らは踊る人をイメージしました。
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境内以外の場所にも、多くの作品を配置しました。
境内を見守るのは森の中にいる彼らです。
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参道の途中にも座っている人が。
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ふと森の中を見ると、木のそばに人影が。
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木に寄り添って、木の精を吸っているような、木に話しかけているような、木に養分を与えているような。
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逆の方にも木に寄り添う人影が。
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これらの作品全てで「無何有の祭り」としました。
親都神社で行われる「祭り」の姿を現そうとしたのです。
この世の祭りとは違う「向こう側の祭り」の祭りの姿を。
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幸運なことに、あるツイートがきっかけで多くの方に足を運んで頂きました。
これまでもトリックスター君たちを「好きだ」と言ってくれる人はいたのですが、100人に1人くらいの割合でした。
それが、100万人の目に晒されると、1万人になるのです。
いかに自分の作品を多くの人の元に届けることができるのか、そんなことを考えるキッカケとなったのです。
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搬出の時は、とても寂しい気持ちになりました。
本当に祭りの最後の日のような気持ち。
でも、親都神社の方の計らいで、一人のトリックスター君を置いてくることが叶いました。
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今も彼は群馬県で一人、森を運んでいるのです。


by mongoru901 | 2018-07-08 21:39
旅するトリックスター兄弟
現在「旅するトリックスター兄弟」というプロジェクトを、風土の祭りでも共同企画をしてくれたZINEレーベル「crevasse」との共同プロジェクトです。
crevasseが書いてくれた企画書がこちらです。

※現在は12月までの予定が全て埋まってしまい、募集は行っておりません。

旅をする彫刻作品トリックスター兄弟はこの2人です。
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この2人が全国のお家に2週間ホームステイをします。
ただホームステイをするだけではなく、ホームステイ先の方々はトリックスター達を連れて、様々な場所にお出かけをしてもらいます。
そこで写真を一枚。
パシャリ!
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そしてこの写真に #トリックスター兄妹 というタグをつけてSNSにアップします。
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すると、、、、
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トリックスター兄妹達がコメントをしてくれます。
中の人?ちょっと何を言ってるか分からないんですけど。

この企画、最初は「こんなことやったら面白いよね」という軽い気持ちで始めたのですが、進めて行くうちに様々なことが分かって来ました。
一つは、普段美術作品に触れ合う機会が少ない方はもちろん、ギャラリーや美術館に頻繁に行く方でも「美術作品を手に持つ」という経験はほとんどない、ということです。
ましてや、それを持ち歩くこと、一緒に生活するなんてことはほとんどないのです。
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心置きなく作品を触りまくることのできる経験!作家や監視員が目の前にいる環境では中々難しいことです。
最初は恐る恐る触っていたホームステイ先の方々も日を経るごとに大胆になり、、、
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こんな場所で撮影してみたり
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遊具に乗せたみたりと、思い思いに楽しんでくれています。

旅に途中には映画祭の宣伝キャラクターに就任したりもしました。
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映画祭の方がポップまで作ってくれました。

または、僕の作品が広がるきっかけになった群馬県中之条町にある親都神社の作品にトリックスター兄弟を連れて会いに行ってくれたり。
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生活の中で楽しんだり、ホームステイをきっかけにお出かけをしたり、自分なりの物語を読み込んでツイートしたり、出かけた先の方々にトリックスター兄弟を紹介したりと、僕も思いつかないような楽しみ方を見つけてくれています。

彫刻を観賞者の元に送って見てもらうことって、SNSでどんどん画像が拡散されて行く時代にものすごく非効率なことなんだけれど、彫刻は直接見てもらう触れてもらうことで深く深く感じることができるんだなぁと感じています。

11月まで彼らの旅は続きます。
北は北海道、南は九州まで。


ホームステイの様子のこちらからご覧になれます!
by mongoru901 | 2018-07-08 18:43